救世軍 仙台小隊 シャロームチャペル

全ての人を迎え入れる大屋根

建築概要

場所 宮城県仙台市泉区南光台4丁目16-20
構造・規模 木造2階建て
延べ床面積 294.06㎡ (88.77坪)

全ての人を迎え入れる大屋根

ファーストスケッチ.

場所

宮城県仙台市泉区南光台4丁目16-20

構造・規模

木造2階建て

延べ床面積

294.06㎡ (88.77坪)

全ての人に開かれた地域の教会として

世界的なプロテスタントのキリスト教団である、救世軍・仙台小隊のシャロームチャペルのプロジェクトです。仙台小隊は明治39年に活動を開始しました。旧教会は築43年でしたが、2018年3月1日の突風により被災し使用不能になりました。

初期の構想段階から、誰でも気軽に入れ、誰にでも開かれている教会を目指して設計しました。 具体的には街に開くためにガラスを多用し、外からも内からも視線が通り、さらにそれぞれが連続するよう中間的な領域として半屋外のデッキを設けました。

教会は木造2階建てで、1階部分は主に教会の用途、2階部分は主に牧師様ご家族の住宅の用途です。

礼拝堂は平屋建てで、約40席ほどの席が配置可能です。4枚の大型木製建具で間仕切り可能なカフェと連続し、カフェも20席ほどの配置が可能です。礼拝堂講壇の後ろには備蓄倉庫があり、災害に備えます。
その他1階には、快適な運営や執務に必要な、授乳室・研修室・事務室などを配置しました。

2階は主に住宅の用途となっており、赴任されるご家族の幅広い形に対応できるような設計としています。

外観は清潔感を感じさせるホワイトを基調とし、デッキや軒裏のウッドを印象付けます。礼拝堂やカフェから連続する半屋外のデッキはこの建築の最大の特徴でありコンセプトです。内部と外部が一体となる空間であり、雨天でも使用可能なコミュニティ・スペースとして機能します。

誰にでも開かれた教会として、この建築が永く地域の人たちに愛されることを願います。

東側の前面道路側ファサード.
緩やかな坂道の頂上付近に位置する.

南側から見る.
平屋の礼拝堂と庇の伸びやかなフォルム.

礼拝堂のエントランス.庇のかかるデッキが、東側から南側に連続する.インターロッキングブロック~ウリン材のデッキ~礼拝堂床は段差なしで連続し、車椅子を使用する人にも配慮する.

東側デッキ.奥行3.4m+0.9mの庇のあるスペース.カフェともフラットに連続する.デッキはウリン材.

南側からたくさんの陽が入る礼拝堂.右手はカフェと連続し、大きな建具で間仕切り可能.天井にはアルミ・ルーバーが連続し、音響効果と照明効果をもたらす.講壇の裏側には災害時等に備える備蓄倉庫がある.

礼拝堂からカフェとエントランス方向を見返す.道路側にもガラスを多用し、街や地域に対して開く.礼拝堂とカフェのガラスは、安全と省エネに配慮した強化Low-Eのペアガラス.

カフェ.奥にキッチンを備える.右手は外部デッキとフラットに連続する.

カフェから礼拝堂方向を見る.建具を開け放つと礼拝堂と一体に使用できる.

礼拝堂とカフェ.右手奥は畳敷きの授乳室.談話や休憩など、多目的に使用可能.

オストメイトを備えるバリアフリートイレ.

2階住宅のLDK.

2階住宅のキッチン.

夜景.南側ファサード.

夜景.東側エントランス.

礼拝堂@NIGHT.

ディテール.EDGE.

ディテール.FLOOR.

コンセプト・イメージ.

コンセプト・イメージ.

お客様の声

会館礼拝堂の屋根が突然の強風で剥がれ、大雨で会館内が水浸しになり、本部からの解体指示が出て、まずしなければならなかたことは寒冷地の建築に実績があり、センスの良い設計士を見つけることでした。紹介ではなくウェブで検索して見つけたのが今回お世話になった加藤一成建築設計事務所でした。地域に根ざして進もうとする私たちの新会館の建物に対するコンセプトは、ちょうどコンビニの店舗のような誰にも入りやすいデザインであるということ、段差のない出入り口があるバリアフリー(1階のみ)の会館ということでしたが、その要望に加藤一成先生は、素晴らしい設計デザインで応えて下さいました。大きな窓とガラスの扉を取り入れた、開放的で洗練されたデザインの会館はとても素晴らしく、足場が取れ、覆っていたシートがはずされたときは、近隣の方々から「姿をあらわしましたね」「いよいよですね」「いつオープンするのですか」と聞かれました。特にウッドデッキと庇は、外の人を招き入れる魅力的な会館のデザインのポイントとなっており、立ち寄ってくださる方も増えました。インターロッキングからデッキ、礼拝堂、またカフェスペースの床は段差なしで連続しているので、車椅子、手押し車などを使用する方々にもストレスがありません。館内の使い勝手も非常によく、間仕切りを開けて、広いスペースでコンサート会場としても使用しましたし、葬儀の出棺の際もスムーズに行なうことができました。
加藤一成先生をはじめ、今回建築に携わってくださった方は、皆さん温厚な人柄ですべての
打ち合わせにおいて困難に思ったことは一度もなく、非常に感謝しています。
加藤一成建築設計事務所の今後のますますのご活躍をお祈り申し上げます。

救世軍仙台小隊シャロームチャペル  牧師  粟飯原 順

PAGE TOP