分離発注方式によるワンボックスハウス
建築概要
夕暮れのファサード. 内部の明かりがデッキやバルコニーのルーバーを通して外部に漏れ出す.
秋田県秋田市
木造 2階建
夫婦+子供2人
104.30㎡ (31.49坪)
秋田市郊外の田園地域に建つ、4人家族のための住宅です。 田園風景の中で、外部からの視線・外部への視線を調整するため、また、内部~外部への中間領域としてのデッキ・スペースを備えます。
1階にLDKと水回り、2階に個室と収納・ワークスペースをゾーニングしました。
リビングと、ダイニング・キッチンはそれぞれの領域を穏やかに仕切り、家中どこからでも外部の空気を十分に感じ取ることができます。
キッチンは、クライアントの希望をヒアリングしながら事務所で設計し、別発注のキッチン部材・機器を供給した上で、家具業者が製作したものです。 分離発注のメリットを活かし、ローコストで充実したキッチンができました。
2階は吹き抜けを囲むように個室・収納等を配置し、バルコニーと一体になったワークスペースは多目的に活用が可能です。
この住宅は、主暖房としてサーマエンジニアリング社の「サーマスラブ」を採用しています。原理は大変シンプルで、夜間電力で蓄熱する蓄熱体を土中に埋め、周囲の土ごと暖め、さらにその上部の土間コンクリートに蓄熱し、床上に放熱するものです。 北東北、北海道にも多くの実績があり、フェノール系高性能断熱材の外張り断熱工法と合わせ、穏やかで快適な温熱環境を実現しています。
外観は、凹凸のない整った平面形状を活かし、シンプルで機能的な「ワンボックス・ハウス」をイメージし、1階のデッキと2階のバルコニーもデザイン・エレメンツとして、重要な役割を担っています。
リビングよりダイニング・キッチンを見る. 左手にデッキスペース. 床はフィンランド製スプルス三層フローリング. 壁はシナ合板+水系塗装.
事務所で設計したアイランド型キッチン.PC用デスクと一体となっている。
キッチンからデッキ方向を見る. 外部を十分に感じることができる.
キッチン奥を見る. 右手奥は食品庫.
リビングスペース. デッキを通して十分に陽が差し込む. 各開口部回りのディテール.
リビングスペース. Night.
2階. ワークショップと2つの子供室.
2階収納スペース. 2階フローリングはカラマツ無垢.
カウンター式の洗面スペース. 奥に洗濯・脱衣室. さらにその奥に浴室.
ハーフユニットを使用した浴室. 壁・天井はヒノキ材+オスモカラー. バスコートを通して外光が入る.
全て米ヒバ材のデッキ. 適度に視線を調整し、プライベートな外部空間を切り取る.
デッキ. NIght. ルーバーの高さはFL+1,620.
前面道路側から見る. ガルバリウム鋼板の外壁とナチュラルな米ヒバ材のコンビネーション. 1年を経て外部の木材も落ち着いた色合いになってきた.
サーマスラブ敷設中. 土間コンクリート下の土中に、蓄熱体を敷き込む.
サーマスラブのイメージ図. (メーカーカタログより)